I want none,I wanna talk with you

なんにもいらないから ただはなしをしよう

時間の折り返しを過ぎて

最近、空き時間を見つけてはなるべく読書をしようと心がけている。高校生くらいからまともに本を読んでいなかったから、本と向き合うのはたぶん7年ぶりくらいなのか。
こうやって文字に起こしてみると7年という歳月に自分自身驚いてしまう。
読書とは関係ないけど、人間の体感する「時間」という概念の折り返し地点はだいたい20歳くらいらしい。
20歳過ぎてからもう5年も経つなんてなんだか笑えてくる。

読書をまた始めてみようかなと思ったのも細野晴臣分福茶釜というエッセイ的な本を図書館で借りて読んでみてからだ。
昔はよく小説を読んでいたなと思う。小学校高学年〜中学生の頃は電撃文庫西尾維新の小説をよく読んでいた。夢中になって。
でも、今の自分には現実と地続きになっていて、尚且つ他人の言葉の海の中を漂えるエッセイの方が向いているのかなと思える。

本を読んでいると自分自身を一歩引いたところから見つめて、頭がクリアになっていく感覚になる。
音楽だと自分はとても冷静でいられなくなって、ここはどうなっているんだろう・ここのコード面白いな・リズムパターン格好良い…とか余計な事に熱が入ってしまう。

そう言えば、音楽を単純に音楽として楽しめなくなってしまったのはいつ頃だろう。
自分で曲を作るようになってバンドを組んで演奏していく内なのだろうか。

プレイヤーとして演奏する側の楽しみを味わえる代償として、中学生で音楽を能動的に聴き始めた時の心の奥底から湧いて出てくるワクワクはもう自分にはないのかなと思う。
それでも音楽を好きでいるのは何故なんだろう。
2度と出逢うことはないであろうあの感覚をまだ諦めきれずに探しているんだろうか。
それとも、自分の中に音楽を聴いてきた何かしらの答えがあるんだろうか。
わからないからまだ聴くのか。